発行周期:毎週 月・水・金曜日の3回 >> バックナンバーはこちら
基本的には、財産分与も慰謝料も税金はかかりません。
ただし、現金以外での財産分与や慰謝料の支払いとなると
課税の対象になることもありますので注意が必要です。
まず、支払う側には「譲渡所得税」という税金がかかることがあります。
たとえば、不動産や株式、ゴルフクラブの会員権などは課税対象となります。
また、この税金を親などに支払ってもらうと、親から贈与を受けたとみなされ、
今度は贈与税がかかってしまいます。
一方、受け取る側では、原則的には税金はかかりませんが、
一切の事情を考慮しても財産分与や慰謝料として分与された金額が
あまりにも多すぎる場合には、贈与税がかかる場合もあります。
中には贈与税を逃れたいがために離婚を手段とする人もいるようですが、
偽装離婚がわかれば贈与税を請求されますよ。
一般的には調停、審判、裁判離婚の場合、また協議の場合でも
よほどのことがなければ非課税と考えて問題ないでしょう。
ただし、不動産で譲渡された場合には、譲渡のあとで「不動産取得税」がかかり、
その金額は各都道府県税事務所によって異なります。
離婚のとき、慰謝料請求というと不倫や浮気を思い出す人も
多いのではないでしょうか。
法的には「不倫」「浮気」とは言わず「不貞行為」といいます。
慰謝料請求が認められる不貞行為とは、具体的には
配偶者以外の異性と肉体関係をもつことです。
実は法律では夫婦には貞操義務があり、「配偶者以外の異性との
肉体関係を持たない義務」という義務があるのです。
また、夫婦の一方と肉体関係を持った第三者、いわゆる不倫相手は、
故意や過失がある場合、損害賠償義務があります。
ですから、不倫相手にも慰謝料の請求をされる場合もあるということです。
ただし、この場合、相手が既婚者であることを認識していたかどうかが
重要ですので、相手が全く既婚者であることを知らなければ
慰謝料請求は難しいと考えましょう。
いずれにしても、「デートした」「メールを頻繁にしている」
「キスをした」というだけでは不貞行為とはみなされません。
不貞行為で慰謝料を請求するのなら、肉体関係があったかどうかが
ポイントですので、それらを裏付ける証拠集めが大切です。
メールの内容やホテルの領収書などは必ず保管しておくことをおすすめします。
(関連記事)
DVでの離婚の慰謝料
慰謝料を請求する場合、できるだけ証拠をそろえておくと
スムーズにすすめられますので、離婚を考えているのなら
証拠を残すようにすることが大切です。
離婚の原因が配偶者の浮気、つまり不貞行為の場合は、
愛人からの手紙やメール、一緒に写した写真、電話の通話記録など
見つけたときに保管しておきまょう。
メールは、自分の携帯に転送しておけば安心ですね。
また、精神的苦痛を記録した日記や手帳のコピーなども証拠になります。
また、離婚の原因がDVの場合は、暴力をふるわれた日時、場所、
具体的な内容などをメモしておくといいですね。
ケガをしたときはきちんと病院で診察を受け、
診断書を作成してもらうのが賢明です。
慰謝料はいったん離婚が成立すると相手方が話し合いに応じてくれない場合や
たとえ応じても金額を低く値切られてしまうことも多いので
請求はできるだけ離婚成立前にすべきでしょう。
(関連記事)
不倫相手から慰謝料を取れるか?
離婚の際の慰謝料には、一応、標準的な基準がありますが、
明確な算定方法や算定基準はありません。
離婚に至るまでの責任の大きさや受けたダメージの大きさなどを考慮し、
さらに相手が支払うことができる金額を考え合わせて算出されます。
家庭裁判所では、離婚に至る原因の所在、責任の割合、
婚姻期間に収入や資産を合わせて決めるという方法が採用されています。
ですから、離婚が裁判まで発展した場合は、慰謝料の金額にかなりの幅があり、
数十万円のときもあれば、中には数千万円というケースもあります。
ただし、慰謝料は高額を請求すればいいというものではなく、
相手が確実に支払うことができる金額をできるだけ一括で
受け取れるようにするのが賢明です。
標準的な金額としては、浮気などの「不貞」が原因の場合は
100~500万円、扶養義務違反や同居義務違反などの
「悪意の遺棄」の場合は50~300万円、
精神的虐待や暴力などのいわゆる「DV」の場合で
50~500万円程度となっています。
協議離婚が離婚の約9割を占める日本では
慰謝料は当事者同士で話し合うことが多いので口約束だけではなく、
きちんと公的文書で残しておくことが大切です。
(関連記事)
離婚による慰謝料とは
慰謝料も財産分与も離婚の際、配偶者に対して
支払われるものではありますが、両者には違いがあります。
慰謝料とは離婚の原因を作ったほうが支払うべきものであり、
精神的苦痛を被ったことに対する慰謝を目的としています。
それに対して、財産分与は婚姻中に夫婦が協力して作った財産を
2人で分け合って清算するというものです。
たとえば、夫の浮気が原因で離婚が成立し、夫婦の預貯金は
すべて妻名義になっているとしたらどうでしょう。
この場合、慰謝料を払うのは夫で、財産分与をしなければならないのは妻となります。
ですから、慰謝料と財産分与は全く性質が異なるものと考えたほうがよさそうですね。
しかし、実際には、慰謝料と財産分与を一緒にして離婚時の支払いとしているケースも
少なくなく、子供がいればこれに養育費も加わります。
また、どちらも離婚後に請求することが可能ですが、
請求できる期間が異なりますので注意が必要です。
財産分与は離婚後2年を経過すると請求できなくなるのに対して、
慰謝料は通常、3年を経過すると請求できなくなります。
《 前 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 次 》
HOME - 離婚についての無料電話相談 - 離婚問題解決への流れ - 離婚悩みコラム - 離婚用語集 - サイトマップ
掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断転写・転載・公衆送信などを禁じます。
Copyright© 2015 大阪で兵庫で離婚についてお悩みの方へ 離婚相談カウンセラー松見有祐のホームページ All Rights Reserved. / Powered by MTテンプレート